理想のふたり
私は、中学生後半くらいにロリータというものを知り、それ以来憧れをもってサブカルやアングラをのぞいてきました。
そのなかでも、私は、一番ゴスが好きでした。
真っ黒い服でフリフリ、真っ白い肌に真っ赤な唇、穏やかに、静かに、存在感だけ放って佇んでいる美しいもの。
その様子にべらぼうに憧れ、真似をしたものです。
元々の性格がおしゃべりで調子乗りなことと、思春期の尖った雰囲気によって、だいぶ厄介なズレがあったとは思いますが。
その基盤が月日を重ね、私は今の仕事や恋人と出会い、ゴスストリートというものを密かに推進しています。
これは、余談です。
ところで、タイトルの理想のふたりというのは、白雪姫とフランケンシュタインのことです。
私の中では、このふたりが結ばれた時が理想の恋人像なのです。
元々白雪姫にはゴスの要素が詰まっています。真っ黒い髪、真っ白い肌、真っ赤な唇。
そこに、退廃極まれるフランケンシュタインが出会い、恋に落ちたなら。
白雪姫のあの清らかな優しさでフランケンシュタインを愛したなら。
ダークすぎるもう一つの美女と野獣です。
フランケンシュタインを読んだことはありますでしょうか。
本の中で、フランケンシュタインは伴侶を望みます。
フランケンシュタインの愛は欲望に似ているため、ふたりが結ばれた後の話はまたこれも信じられないくらいドロドロのダークになるのではないでしょうか。
私は、あの美しい白雪姫に、優しさゆえ堕ちてきてほしい。
フランケンシュタインに、愛ゆえに全てを失ってほしい。
どちらも自己犠牲ですね。幸せになれてもなれなくても、このふたりは出会っただけで、美しい。